遠投かご釣り、シマノ両軸遠投竿の推移と評価
こんにちは! 一平です。
最近は、釣り具の中古品の売買が活発で、ある竿が廃版(はいばん)となっても中古の市場で簡単に探すことが出来ます。ネットの広がりで探すことも容易になりました。
釣り具は、1~2回の釣行で、汚れたり傷ついたりしますので中古でも全く気にならない人も多いのだと思います。また、欲しい人も大勢いて、中古品といえど昔とは比べ物にならないくらいの高値で買い取ってくれます。
従って、販売されていた竿が廃版になっても釣り人はあまり気になりませんね。
しかし、長い目で見れば自分の欲しい竿が無くなって、そのうち手に入らなくなります。
遠投かご釣りファンの皆さんは、かの有名なシマノが、遠投かご釣りの両軸リール用の竿を、2018年から2019年の8月まで全廃していたことをご存じでしたか?
第54回は、シマノの両軸遠投竿の推移と評価です。
1.シマノの両軸遠投竿の推移
表―1にシマノの両軸遠投竿の2015年からの推移を示します。
表―1 より
・ 1の磯遠投EVの両軸用竿は、2016年末までに廃版となりました。
・ 3のブルズアイ遠投RP(両軸用)は、2017年の末までに廃版となりました。
・ 4のブルズアイスペシャル遠投の両軸用竿は、2017年までに廃版となりました。
・ 従って、2018年~2019年8月までの期間( )は、シマノ・両軸遠投竿はすべて廃
版となりました。
・ 2019年8月にブルズアイ遠投RPが、リニューアルされ復活しました。
シマノの両軸遠投竿は、ここ4~5年の間は変遷が激しいです。
磯遠投EVのRP(両軸用)は、2000年の初め頃に発売開始されたようです。
遠投かご釣り用竿としては安価だし、同じような価格帯で同等の性能を持つ竿がなかった
ため、10数年にわたって愛用され、異例のロングセラー商品でした。
この間一度もモデルチェンジすることなく、コストパフォーマンスの良さから、多くのカゴ釣りファンを獲得した素晴らしい竿でした。
シマノでは当時、プロテックの遠投用としての両軸用竿がありましたが、これは高価で、あ
まり人気がなかったせいか、早くに廃版となりその後ブルズアイが発売されました。
さらに、がまかつの人気竿カゴスペシャルを意識してか、2010年ごろ剛性の強いブルズアイ
スペシャルが追加されたようです。
そして、表―1に示しましたように、2016年ごろから次々とシマノの遠投両軸用竿は、廃版となり2018年には全滅となりました。
しかし、やっと2019年8月に、シマノの両軸遠投竿・ブルズアイ遠投RPが、リニューアルされ復活しました。
一平は、がまかつの強靭なカゴスペシャルを自在に扱える遠投マンだけでなく、並みの体力の
釣り人で、遠投かご釣りをする人が増えているような気がしています。
何も高価な竿や強い竿ばかりでなく、コストパフォーマンスに優れた磯遠投EVを超えるような両軸遠投竿を、是非、世に送り出して欲しいものだと思っています。
2、シマノ 両軸遠投竿の評価
表-2 にシマノ 両軸遠投竿の評価を示します。
表―2 より
・ 磯遠投EVのRP(両軸用)は、安価で、10数年にわたって愛用されたロングセラー商品
で、硬すぎず、柔らかすぎず万能に使える竿。
・ 竿の一番人気は、磯遠投EV―RPで次にブルズアイ遠投RP, ブルスぺ遠投RPの順です
・ 竿の剛性は弱い順に、磯遠投EV―RP、次にブルズアイ遠投RP, ブルスぺ遠投RPです。
・ ブルスぺ遠投RPは、がまかつのカゴスペシャルと肩を並べる剛性の強い竿ですが、遠投
かご釣りファンの間で圧倒的人気のあるカゴスペシャルと比べて、ほとんど人気があり
ません。競技用でないかと揶揄されるのもうなずけます。
ただし、これは遠投両軸竿に限って言えることで、磯フカセ方面(スピニングリール用)
では結構人気とのこと。
3.シマノ 両軸遠投竿の比較
さて、2020年からはシマノの両軸遠投竿はブルズアイ遠投のみとなりますが、今一度シマノ
の竿の比較をしておきたいと思います。
廃版となった竿や多くの中古品等が、ネット通販で出回っているのでこれらの価格や仕様の確認用にも役立つと思われます。
表―3に シマノの両軸遠投竿の比較を示します。
表―3より
・ 新ブルズアイは旧ブルズアイに比べて、価格はすべての機種で4,000円のアップとなりま
した
・ 新ブルズアイは、旧ブルズアイに比べて自重が 520RP、570RP、620RPでそれぞれ
20g、15g、25g と増加しています。
・ 磯遠投EV4―520RPの元径は28.4㎜であるのに対し、それより剛性の強い新・旧ブルズ
アイは26㎜(表中のピンク色で示す)と細いのが特徴です。
今回はブルズアイ遠投RPのみがリニューアルし、生き残りました。
もともとブルズアイ遠投RPは、ブルスぺ(ブルズアイスペシャル遠投)には及びませんが、剛
性の強い竿です。
シマノはあくまでも、磯遠投EVの後継種ではなく、ブルスぺに近い超遠投竿を追求しているようです。
両軸遠投竿としては、一種類だけになってしまいましたが、シマノファンとしては、嬉しいこともあります。
新ブルズアイは、4万円台と安い価格を維持したまま、リニューアルされたことです。
シマノの最も剛性の強いブルスぺは6~7万円しましたし、ダイワの最強竿・オレガ遠投も、
がまかつのカゴスペシャルも、やはり7万円台です。
シマノの剛性竿・新ブルズアイの競争相手は、宇崎日新のイングラム ブラック エディション遠投両軸ぐらいですね。これは4.5~5.5万円なのでこれから二本の竿が、安くて剛性の強い竿で競争してほしいものだと思っています。
ただ、シマノの竿ファンの一人として、体力強靭な人向きの剛性の強い竿だけでなく、一般の釣り人向きの、できれば 磯遠投EVよりやや強くて、軽くて、振りぬきやすい、シマノの竿が欲しいと思うのは一平だけでしょうか?
さて、一昨年の9月より始めた「一平ブログ」ですが、約1年半が経過しました。
私事で恐縮ですが、半年ほどお休みをいただきたいと思っています。
第55回 ダイワの両軸遠投竿は、柔・硬・剛と充実のラインナップ!
第56回 宇崎日新はなぜ、プロミネントを市場投入したのか?
第57回 あなたは、どこのメーカーの竿を買いますか?両軸竿4社の徹底比較
第58回 両軸遠投3号竿の利点、あなたは3,4号のどちらを選びますか?
第59回 竿の製作工程、材料などが価格に及ぼす影響
を予定しています。
ほぼ、資料収集と原案は、出来上がっていますが、精査しなければなりませんので、ブログの再開は8月ごろになると考えています。
2020年2月10日 一平