シラサエビの入手困難(4~6月)は、今後も続くのか?

晴れ、とっきどき釣りの第44回シンボル画像

釣りエサ、シラサエビの4~6月の品薄原因調査

こんにちは! 一平です。第50回は、関西地区での、釣りエサ・シラサエビの4~6月の品薄原因調査についてです。

1.釣りエサ・シラサエビの4~6月の品薄原因調査
 2017年4月~6月上旬まで、関西のシラサエビ販売店で、シラサエビが品薄でほとんど手に入らないという事態が発生しました。それまでも5月頃には、毎年少し品薄になる傾向は、ありましたが、2017年は、それまでと違って極端に手に入らなくなったのです。

この傾向は、2018年も同様で、2019年の今年は、やや改善されましたが5月から6月の前後は入手困難が続きました。2019年にはやや改善されたとは言え、4~6月のシラサエビ入手困難という課題は、解決されたわけではありません。
そこで第50回は、この問題について報告したいと思います。

写真ー1 平磯海づり公園の沖1.1km、平磯灯標(2018年10月19日)

写真ー1 平磯海づり公園の沖1.1km、平磯灯標(2018年10月19日)

     
    
一平の日記を見ると、
「2017年5月19日、久しぶりに平磯海づり公園へ出かけた。途中で、垂水の釣り道具屋フィッシングマックスに立ち寄ったが、シラサエビは入荷していないとのこと。
大ショック! 目的のエサがないのは本当にショックである。
平磯海づり公園での、真鯛釣りのエサは、シラサエビでなくては困る。
その4日後の5月23日も釣行したが、やはりフィッシングマックスでは手に入らず、平磯海づり公園内のエサ店で、やっと買うことが出来た。しかし、朝一番なのに、もう残りわずかという。こんな状態が、4月から続いているという。これは大変だ」
と書いてあります。そこで調査を開始しました。

・京都大学、理学部 丹羽信彰氏の報告書「釣り餌用ブツエビ・シラサエビ(商品名)の輸入禁止の実態と影響および2016TCSシンガポール大会参加・発表報告」によると
                                          

図ー1 シラサエビの入手困難の原因

図ー1 シラサエビの入手困難の原因

① 水産生物の新たな輸入防疫制度により、シラサエビは許可制となり、2016年7月27日から新制度が開始されたとのこと(ブツエビは今までどおり)

② 日本での未確認のの疾病が世界各地で発生しつつあり、我が国への侵入の危険性が増大しており、
(エビの急性肝膵臓壊死(えし)病等)
水産防疫体制の見直し、・強化が必要となった。そこで、テナガエビ科エビ類が新たに輸入許可が必要な項目として追加された。                                    

③ 許可制となったシラサエビは、税関が12時間かけて調べて、開封される。そうすると、冷水をかけて仮死状態で特製コンテナで空輸されたシラサエビは、半数以上死んでしまうので、採算の取れない業者は撤退し、実質上の輸入禁止になるとのこと。

輸入禁止の影響が大きそうなことは解りましたが、そもそもシラサエビはどこの国から、どれくらいの量が輸入されているのかを、調べてみました。

       
2.シラサエビの輸入先と数量
 丹羽信彰1)氏によれば [CANCER Vol.19(2010)p.75-80]
シラサエビは、1990年以降、中国の華北地域の遼寧省、河北省、華南地域の江蘇省、浙江省で
採集され、日本に輸入されているとのこと。また、韓国での採集は、大邱(テグ)付近が中心らしい。
       

図ー2 シラサエビの輸入先

図ー2 シラサエビの輸入先

 もちろん船便だと、輸送時間がかかり、税関の手続きも遅いので、すべて空輸されています。そして、総輸入量は、2009年で推定62,8t/年です。

第48回「釣りエサ、驚くべきシラサエビの価格差、三店の価格比較」で報告したとおり9回の調査の平均値ではシラサエビの1匹の重量の平均値は0.38gだったので、これを0.4gとすると、総輸入量62.8tなので   62.8t/0.4g = 1.57億匹 となります。

また、シラサエビのほとんどが釣りエサに使われると仮定し(実際には食用にされているのもあるようです) 一人の釣り人が、1回の釣りで100gのシラサエビを使うとすれば(約2杯分で約1000円)62.8t/100g = 628,000 回分のエビの量となります。 (金額に換算して約6.3億円程度か)

もちろん、途中で死亡するなどの歩留まりなどを考慮する必要がありますが、それでも相当な量であることには間違いありません。

第49回で報告した通り、琵琶湖のスジエビ(シラサエビ)の2015年の年間水揚げ量は84トンなので2009年の輸入量約63トンは、その約43%にあたります。

しかし、4~6月に、琵琶湖の水揚げ量が激減することを考慮すれば、この時期の必要な量に対しての輸入量比率は、もっともっと高いと思われます。
これだけ多く輸入されているシラサエビが実質上の輸入禁止となれば、品薄となるのは当然だと思われます。今後生存率を高めたり、良い空輸方法などが、工夫されることに期待したいものです。さて2017年以前でも5月はシラサエビが、手に入りにくいことがあったので、この原因をネットで調べてみました。

3.シラサエビの水揚げ量が、琵琶湖で4~6月に激減する原因
 ネットでは、琵琶湖において「エビの産卵期のため禁漁期間があるとか、脱皮期間のために禁漁期間を設けているので、春に水揚げ量が減る」との記述がありましたが、我が家のメダカ水槽のシラサエビは期間に関係なく脱皮を繰り返しているので、これらは間違いではないかと思い、調査しました。
特に4~6月の水揚げ量の減少原因がよく分からなかったので、とうとう2017年9月19日に滋賀県農政水産部、水産課に問い合わせをしました。その結果、

・シラサエビの禁漁期間というものは設定していないと言うことでした。また
・春になって(4~5月に)、シラサエビは産卵のために、深い所から浅い所に移動します
 が、この移動中は捕獲量が減少するということでした。

一平が、午前中水産課に電話したとき、担当の方は、席を外されていたのですが、わざわざその日の午後に、一平の自宅まで電話を下さって丁寧に説明をしてくださり、本当に恐縮しました。
それによると、琵琶湖でのエビ漁法には、以下の2種類があるそうです。

 ① 沖びき網漁       底引き網の一種で、水深の深いところで獲る。
 ② 「えびたつべ」漁    琵琶湖の伝統漁法、比較的浅いところ(ヨシ帯などで)獲る

従って、エビは4~5月の時期、深いところから浅いところへ移動中なので、捕獲量が少なくなるということのようです。
図―3は、「滋賀県立びわ湖フローティングスクール」の児童向け説明図からの引用です。
なるほど、「えびたつべ漁」は、水深の浅いところでの漁であることが良く分かります。

関西近辺の4~6月のシラサエビの品薄原因は
① 2016年7月からのシラサエビ輸入時における許可制の導入と、
② 琵琶湖独自の漁法によるこの時期の不漁が原因でした。

2019年はそれほど深刻ではなかったのは、たまたまかも知れません。
(2019年5月は記録的暑さのため、エビが早く浅瀬に移動したかも・・・・)
いずれにしても、
今後とも、エビ撒き釣りや、遠投カゴ釣りの釣人にとっては、注意が必要のようです。
       

図ー3 たつべ漁、詳細図

図ー3 たつべ漁、詳細図
(滋賀県立びわ湖フローティングスクール、「びわ湖の漁法を学ぼう」より引用)

 ちなみに、スジエビ(シラサエビ)は、琵琶湖では春から秋まで浅瀬の水草や小石のあるところで暮らしています。冬が近づくと寒さを避けて深みに移動します。しかも水深50~90mくらいの琵琶湖でもどちらかというと水深の深い所に住んでいるようです。(琵琶湖の平均水深は41m、最大水深は104mです)

4.ブログ50回目の雑感 
 さて、昨年の9月から始めた一平のブログもやっと50回となりました。
一生懸命、書いて、調べて、興味ある釣り道具など新たに購入し、それらを実践して1年が経ちました。
このブログは、自分の趣味で書いているので、どこかに気を使ったり遠慮する必要がないし、締切日もないので気が楽です。
しかし、曲がりなりにも読者が増えてきて(現在、読まれる記事200~400件/日)
もう少し気の利いたブログを書きたいと思うと、なかなか筆が進みません(涙・・・)
もちろん、自分の記事が、読んでくれたすべての人に役に立つとは思っていませんし、50回のブログの中で、1つでも2つでも、ほんの些細な事でも、釣り人の役に立つことがあればいいかなと思っています。
また、「問い合わせメール」に対する返信もあまりしていないこともあり心苦しく思っています。この場を借りて、お詫び申し上げます。

さて、50回で1年かかりました。今のところ、何とか100回くらいまでは書きたいと思っています。
次回は、「一平のシラサエビ捕獲作戦」です。

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