第8回 コブダイ釣り仕掛けの注意点
こんにちは!一平です。第7回ではマキエ用カゴの改良について紹介した。
第8回は、まだまだ改良の余地のあるケイムラサビキロケットと、コブダイ釣り仕掛けの注意点について紹介したい。
1.まだまだ改良の余地があるケイムラサビキロケット
右図は、代表的なマキエカゴの一種であるナカジマカゴの構造図である。
波止ではサビキカゴと同様、よく使われているマキエカゴである。
カゴの下部には穴が開いておらず、竿をしゃくる動作によってマキエを放出する。
マキエには主に細かいアミエビを使うので、底にケイムラサビキロケットのような格子状窓はない。
投げる前からぽたぽたと、臭いアミエビがこぼれて、服にかかってはたまらない。底がふさがっているには意味がある。
ケイムラサビキロケットも、底は完全にふさがった状態で作れば良いのでは、という考えもある。
しかし、右図のナカジマカゴは、マキエとして主にアミエビを使うので、ケイムラサビキロケットに比べてカゴは小さい。
従って、アミエビがカゴの底に残っても、それほど大きな抵抗とはならない。
しかし、ケイムラサビキロケットMのようにカゴが大きい場合は、リールを巻くときに大きな力が必要で、カゴの芯棒糸や、道糸にその力が加わる。特に格子状窓が詰まった場合には大きな水の抵抗を受ける。
底に穴の開いていないバケツを、水中で引っ張るようなものだ。
芯棒の役目をする糸は弱くて、大型リールでスピードを上げて巻くと、カゴの重さと水の抵抗で、魚がかかってもいないのに何度も切れた。芯棒の糸は右図の赤線で示す。
そこで芯棒の糸を太くし、8号×1本から12号×2本のものに変更した。
また、ナカジマカゴの頭部は鋭角になっていて、リールを巻くときに抵抗の少ない形になっている。
しかし、ケイムラサビキロケットの頭部はほとんどフラットに近い形となっている。
巻き上げ時の抵抗を減らす点において
ケイムラサビキロケットや KAIKO 青サビキロケットなどは、カゴ上部の形状を抵抗の少ない形にするなど、まだまだ改良の余地があると思われる。
2.コブダイ釣り仕掛け、その他の注意点
2.1 糸がらみ防止策
カゴ釣りに当たって、仕掛けの最大の問題は、投げた時に、針やハリスが暴れて、カゴやウキと絡まることである。そのため、
① まず、ハリスと道糸の間に、必ずクッションゴムを使う。
② ハリスはしごいて、糸ヨリや糸の巻き癖などをとっておく。
③ また、クッションゴムの両端についているサルカンの動きを抑えるためサルカンのつなぎ目を伸縮チューブで固定し、ハリスやクッションゴムの余分な動きを抑える。
この状態を右の写真に示す。
④ 天秤の張り出し棒の部分を長くする。
(EX:発光パール天秤のサイズを15号から18号にするなど)
⑤ ウキとカゴの距離をウキの長さより大きくとる。などの工夫をした。
2.2 糸の結び方、結束強度のUP
また、何度もハリスを切られたり、結び目で糸が切れたりした。
道糸は3号から10号までハリスは2号から5~8号までUPした。
糸の結び方を研究し、サルカンと糸はパロマ―ノット結び、道糸とカゴはWクリンチノットとし、結び目には結束強度UPのため、特殊樹脂配合の(株)モーリス製のVARIVAS「結びにシュッ!」を吹き付けた。
カンダイ釣りでは、ハリスが針との結び目で切れたり、すっぽ抜けたりすることもあるので、「結びにシュッ!」は大変重要である。
しかし実際には、糸の太さや結び方より、海底の岩などに糸が擦れて切れていたことも多かった。平磯海づり公園の18~20m沖にはコンクリート漁礁や捨石漁礁などがあり、これらにも糸は擦れていた。
仕掛けが重要性なことはもちろんだが、釣り場の地形や条件、腕も必要なことはいうまでもない。
第8回は、コブダイ釣り仕掛けの注意点を中心に報告した。
第9回では、マキエカゴの総まとめとして、8種類のマキエカゴの比較検討を紹介したい。