第13回 平磯海づり公園、ベテラン釣り師のコブダイ仕掛け内容 他
こんにちは!一平です。
平磯海づり公園をホームグラウンドとした、釣りに関するブログ第13回です。
ロシアの諺に「釣りの話をするときは、両手を縛っておけ」という諺がある。
縛らないと両手の幅がどんどん広がって、サイズが巨大化すると言うことらしい。
昨日釣った魚のサイズが40cmなのに、今日には50cmになってしまう。ついつい話が大きくなってしまう経験はないだろうか。
しかし平磯海づり公園の情報は正確で信頼できます。なぜなら、
この情報は平磯海づり公園の職員が、毎日の聞き取りや釣り人の自己申告に基づいて、立ち合い、確認された情報のみ掲載されているからです。
そして、ほぼ2件/日の釣果情報がネットに公開されています。
今回は釣果情報をもとに、平磯海づり公園のコブダイ釣りの状況を分析してみたい。
1.ベテラン釣り師達の活躍
平磯海づり公園の釣果情報によれば、過去5年6カ月間(2013~2018年6月)にコブダイを釣ったと言う報告は全部で71件ある。その内60cm以上の大物コブダイを釣ったという報告は41件である。41件の中で20件は4名の釣り人が占めている。ほぼ半数である。
この4名の釣り人の釣り方法、仕掛けを表ー1に示す。
ベテラン釣り師のコブダイ釣り仕掛け
表ー1より、
・ 釣り方法は、投げ釣り、落とし込みで
・ ハリスは、ほとんどがワイヤー#37~38、または10号以上。
・ 針は伊勢尼14~16号、石鯛針15~18号
・ エサはサザエが最も多く12件/20件、アケミ貝が3件、その他は、サルボ貝、生ガキ、イガイ、バナメイエビ、ブラックタイガーエビが1件ずつとなっている。
・ 棚はすべて底で、竿は5m前後のものを使っている。
これが平磯海づり公園のベテラン釣り師たちの仕掛けである。
やはり、相当な大物仕掛けである。ハリスにワイヤーハリスを使い、ナイロン、フロロカーボンハリスは10号以上で、エサはサザエが最も多く使われている。一平は、5号か8号ハリスを使っているが、これではまだまだ細いと言うことらしい。
どうりで時々ハリスが切られて悔しい思いをするはずだ。しかし一平の釣りは、波止際でなく、30~40mの沖を釣っているので、これ以上ハリスを太くしたら根掛かりした時に、道糸も竿も大変なことになりそうで怖い。
2.コブダイの釣れる季節
平磯海づり公園のコブダイ釣果報告数(2013~2018年6月まで)を月ごとにまとめたものを
グラフ-1 で示した。
過去5年半でコブダイの釣れた数
これを見れば、12月11件、1月27件、2月8件と冬に釣れたコブダイの報告数が圧倒的に多いことが判る。
また、2013年~2016年 (4年間)・・・・・ 30件
2017年~2018年6月まで (1年6か月)・・・ 41件 と
この1年半で急増している。
特に1月は、それまで4年間で4件であったものが、2017年~2018年の1年半で23件と急激に増加している。
この原因は、2017年1月から「ヱビスダイ祭り」が始まったからである。期間は1月の10日頃から、1月末までの約20日間ほどである。
その内容は期間中に、50cm以上のコブダイを釣って受付に持ち込むと、招待券が1枚もらえ、さらに須磨・平磯海づり公園の両園での記録を併せた中から、上位3名に、1位10枚、2位5枚、3位2枚の海づり公園の招待券がもらえることになったからである。
2018年には、賞品の内容は少し変わったが、この期間にコブダイ釣りの猛者がどっと押し寄せたことは容易に想像できる。
また、間接的には、波止から大物釣りの醍醐味が味わえるため、過去にはあまり釣りの対象魚となっていなかったコブダイが、少しずつその対象となってきていることにも起因しているかもしれない。
いずれにしても、コブダイは冬の釣りである。客の入りの悪い時期に、何とかして集客しようとする平磯海づり公園側の意図は功を奏したのだろうか。
3.コブダイの釣れたサイズと全魚種に占める割合
平磯海づり公園の2013年から2016年までの4年間の釣果報告を、表ー2に示す。
・最も大型のサイズは2015年12月5日に、S氏が釣り上げた77.5cmのコブダイである。 これは2008年の年間大物記録賞の発表が始まった年から、いままででコブダイ最大の記録である。
・2013年、2014年の報告件数は 4件/年と極端に少ない。
・4年間のコブダイの全魚種に対する割合は、約 1.25%と非常に少ない。
割合の算出は以下の通り
営業日数は4年間で1237日(台風などの臨時休園日は除く)である。
釣果報告を1日2件とすると、全報告件数は 1237日×2件/日= 2474件となる。
しかし、悪天候のため釣果なしの日が3日あり、さらに報告は1件/日の時もあるので2474→2400件とみなすと、コブダイの釣れた報告件数の割合は全体に対して
30件/2400件= 1.25% となり、コブダイ釣りは2016年までは、マイナーな釣りということが判った。
次に、2017年から2018年の6月までの釣果実績を表ー3に示す。
表―3より、2017年、2018年の1月のコブダイの釣果報告件数は、23件で過去4年間の5倍強
となった。理由は2.コブダイの釣れる季節 で述べたように「ヱビスダイ祭り」と称して、コブダイ釣り祭りが始まったからである。
4.ヱビスダイ
「エビスダイ」とはあまり聞かない名前なので 市場魚介類図鑑で調べてみた。
体調40cmを超える。鯛形。全身をガラス質のウロコで覆われ、宝石のように赤いとある。
真鯛と比べて頭部が大きく、尾びれを足に見立てて立てるとヱビスに似ているためこう呼
ばれているのかも? と書かれている。
地方名では、グソクダイ(具足鯛)、ヨロイ鯛、アカメ(赤魚)キントキ(金時)などと呼
ばれるらしい。
ウロコが非常に硬く、取り扱いにくいのが難点とか。鱗の固いのはコブダイとよく似てい
る。
明石地区ではコブダイのことをエビスダイと呼ぶらしいので「エビスダイ祭り」と銘打って、この企画が始まったらしい。しかし、コブダイ祭りと命名した方が、紛らわしくなさそうだが・・・
2018年も「エビスダイ祭り」は継続され、1月10日~31日に実施されている。
70cm以上のコブダイ(カンダイ)釣果情報は、2017年の8件から2件に激減している。
この数とサイズの縮小傾向は気になるところである。
コブダイは、70cmを超えるまでには10数年かかるらしいので、一度大物を釣り上げてしまうと、再び大物が釣れるようになるには、時間がかかることも考えられ、平磯海づり公園で、2019年にさらに数とサイズの縮小化が進まないことを祈るばかりである。
有名な佐渡島の「弁慶」の大きさは約1mで、推定年齢は30~40歳だが、一般的にはコブダイの推定寿命は20年くらいと言われている。
第13回は、平磯海づり公園のコブダイ釣果情報から、常連のベテラン釣り師の仕掛け、コブダイの釣れる季節、全魚種に占める割合、ヱビスダイ祭りなどにわたり報告した。
第14回は、大物サイズ順釣果情報やそれぞれの仕掛け、過去11年間の大物記録などについて報告したいと思います。