大物コブダイ(カンダイ)釣り(7)

第7回 マキエ用カゴの改良 

こんにちは!一平です。第6回ではケイムラサビキロケットカゴの構造と、その問題点を指摘した。第7回は、このケイムラサビキロケットカゴの改良について紹介する。

1.カゴが性能を発揮する理想的な状態とカゴ本体の改良 

マキエは、本来ケイムラサビキロケットの下部から放出されるべきであるが、実際には下部からは放出されず、竿をしゃくった時にのみ、横窓から放出されていることが判明した。

マキエがカゴの下部から出ない

マキエがカゴの下部から出ない

マキエはカゴから出さえすればよいという考え方もあるが、これではせっかくの回転蓋の意味がない。

波止際ならまだしも、30~40m沖の重いカゴを何度もしゃくるのは大変である。
また回転蓋を取り付けて効率よくマキエをしたいという設計者の意図も無駄になってしまう。

オキアミのM、Lサイズであれば、格子状窓からオキアミは出ていかないし、Sサイズ以下なら投げる前に、竿を構えた時に格子のスキマからこぼれてしまう。

理想的なマキエの状態

理想的なマキエの状態

理想的な状態は

・オキアミが、水分や摩擦などにより格子窓に固着したり、その不規則な形状により橋掛け状態になり、格子窓内に留まる。

・カゴを投げる前には、お互いが突っ張って、格子状窓からこぼれなかったオキアミが、竿をしゃくることにより、水中で左右、上下に激しく揺さぶられて位置がずれたり、押しつぶされたり、細かくなったりして格子状窓からも、マキエが放出される。   時である。

そこで、カゴを投げる前にはオキアミがこぼれなくて、ウキが立った時、しゃくる強さが加わると、オキアミが出る適当な大きさがあると考えて、この出口部を図ーAのように切り欠いて

カゴの格子間隔を広くした。

オキアミが放出される格子窓間隔に変更

図ーA カゴの格子窓の間隔を変更

これで回転蓋Yの機能も確保でき(水中を落下するときは、マキエがこぼれ出るのを防ぎ、ウキが立った時には下に垂れ下がり、マキエが出るようになる)、さらにオキアミは、竿をしゃくった時にはカゴの横からも底からも出るようになって、目的に合致した性能を発揮できるようになった。

さて、ケイムラサビキロケットの利点としては以下のことが考えられる。

① カゴの中へのエサ入れが容易(スプーンで詰め込める)で手も汚れない。
② 一度に多くのマキエをカゴの中に入れられる。
③ 何よりも、安価である。

ので現在はこれを愛用している。

欠点としては

① カゴに入れたオキアミの汁(小さい水的)が飛散し、帽子や服に付き、汚れる。
② カゴ底部の回転蓋が時々、脱落することである。

  
2.回転蓋の脱落原因と防止策について

欠点として挙げた ①(オキアミの臭いの付いた水分が飛散する)に対しては、以下で対応している。

オキアミを入れたポリバケツの底に4~5mmの穴を8~10個ほど開ける。
水が、冷凍状態になったオキアミから溶けだしてくるが、ポリバケツの底から流れ出て、カゴに詰める時には随分と飛散は少ない状態となる。
それ以外では、できればカゴが頭の上を通過しないようにカゴを投げることに注意をする(釣りに夢中になるとこれは期待できないが・・・)

次に欠点の ②に関しては重要で、無視できないし、何とか対策が必要である。

ケイムラサビキロケットの最大の欠点は、回転蓋が脱落することである。
ひどい場合には10数回投げただけで脱落する。カゴに多くのオキアミを入れた時、思いっきり投げた時など特に脱落しやすい。カゴの着水時に脱落するようだ。
安価とはいえ、これは困る。何より現場で釣りを続ける気持がくじけてしまう。

回転蓋の脱落時は、本体の穴から芯棒が外れて 図―1のようになる。
蓋は本体から外れて海の藻屑となる。
                                          

図ー1 回転蓋の脱落

                                     
この原因は、カゴを投げた時、カゴは着水時に大きな衝撃を受け、回転蓋の芯棒が変形するからである。図ー2に芯棒が変形した状態を示す。
                                           図ー2 回転蓋の芯棒のたわみ

     
                                          そこで以下の改良をした。

購入時に付属していた回転蓋を取り外す。手で少し力を加えれば、簡単に取り外せる。逆の見方をすれば、着水時の衝撃で回転蓋が脱落することにも納得がいく。

購入時のプラスチックは0.8mmくらいあって重いので、軽いプラスチックの板(0.2~
0.3mm)から、回転蓋の形を切り抜く(薄いプラスチック板はホームセンターに行けば買える)
これに、穴をあけ内径3mm程度のビニールパイプ(私は、TOHOのカラミ止パイプを使っている)を取り付け 図―3のような回転蓋を作る。

図ー3 回転蓋の製作

                              
                                          製作した回転蓋を元の本体に取り付ける。図ー4にその完成状態を示す。

図ー4 回転蓋・改良品の完成

回転蓋の両端に、短かいチューブをかますのがミソである。これで回転がスムースになる。
この改良品にしてからは、ほとんど回転蓋の脱落はなくなった。

この理由は、
回転蓋が軽くなってカゴ着水時の衝撃が弱くなったこと。
両端を糸(道糸利用)でしっかりと止め、回転軸を受け止める穴がない構造となったので、脱落が無くなったものと思われる。

第8回では、まだまだ改良の余地のあるケイムラサビキロケットの課題と、コブダイ釣り仕掛けの注意点などについて紹介したい。

       

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