遠投カゴ釣り(真鯛1)衝撃的な出会い、圧倒的飛距離の真鯛釣り師

飛距離に衝撃!平磯海づり公園で、遠投カゴ釣り師を目撃

こんにちは! 一平です。第32回は遠投カゴ釣り(真鯛1)です。
今回より10数回にわたって、遠投カゴ釣りでの真鯛釣りを紹介します。

1.真鯛釣り師との出会い 
 2015年7月10日、午後3時になっても、カンダイの釣果もなく、右手人差し指の腱鞘炎(けんしょうえん)の痛みが少しずつ増してきたので、釣りはそろそろ切り上げようかと思っていた。
その時、平磯海づり公園にしては珍しく声を掛けられた。
「何を狙っているんですか?」と。それがN氏との初めての出会いであった。

明石鯛の本場、明石海峡付近地図

① 明石鯛の本場、明石海峡付近

どうやら、すこし沖を狙ってのカゴ釣りが、共通していたので興味を持たれたようだ。  
「カンダイ狙いですが、今日はそろそろ切り上げようと思っているところです。
今は潮の流れがあまりに早いので、釣りになりませんので・・・」と私が答えると、

「カンダイね~ 釣れますか?」と聞かれたので
「今日はさっぱりで、ウキがピクリともしません」と答えた。

ソフト帽子のお兄さんは、興味深そうに私の仕掛けを見ながら、「私も、今は潮の流れが速すぎて、釣りにならないので他人の釣りを見て回っているのです」とのこと。

平磯海づり公園の釣り場は、東西に一直線に1.4Km続く防波堤である。
潮はこの釣り場に沿って平行方向(西か東)に流れ、沖(南)に払い出ししていく流れはあまりない。従って、潮の早い時は仕掛けが左右に流され、魚の食いは非常に悪くなる。

さらに混雑している時の沖を狙っての釣りは、他の釣り人の迷惑にもなるし、釣りにならないのである。

釣り 真鯛(1)平磯海づり公園前の潮の流れ

写真ー1 平磯海づり公園(右端が明石海峡大橋でその向うが淡路島)

ところであなたは、何を狙っているんですか?」と問うてみた。
「真鯛です」との返事。
「おっとっとっと!」 急に興味が湧いてきた。

   
カンダイ釣りも少しマンネリになりかけていたし、真鯛は以前から釣りたいと思っていた魚だ。しかし、ここはあまり釣れないことで有名な海づり公園なのである。
ましてや高級魚の真鯛がこんなところで釣れるとは思ってもいなかった。

しかし、よく考えてみると、ここの明石海峡大橋一帯は、明石鯛の漁場で、しかも中心地に近い。ここで真鯛が釣れても何の不思議もないのである。
「マダイ、釣れますか?」ときいてみた。

「はい、釣れますよ。今日は3匹釣りました」との返事。
再び「えーー!おっとっとっと!」である。今度は私の方から、300mほど離れたN氏の釣り座へ、釣りを見せてもらいに押しかけていった。 

写真ー2 平磯海づり公園で釣った明石鯛

写真ー2 平磯海づり公園で釣った明石鯛(2017年8月11日)

そこで両軸リールを使った遠投かご釣りを初めて目撃した。
軽く竿を振っただけなのに、大きな赤いウキが沖の遠くに小さくなって、一直線に飛んで行った。

数十年前、私がゴルフを始めたばかりの頃、兵庫県のゴールデンバレーG.Cで、プロの300mのドライバーショットを、初めて見た時のような強烈な印象であった。

自分のカゴ釣りは、カンダイ狙いの30m位の沖が中心である。ただ単に遠くに投げるということであれば、遠投かごを、力任せに投げれば、私も50~60m位は投げることはできた。
カゴ釣りに興味を持っていたので、カゴ釣り研究会や渚の遠投師製の超遠投かごを、インターネットでいくつも購入し、試していたのである。

しかし、N氏はさらにその先を、70~100m位の沖を狙って遠投していたのである。
しかも真鯛を釣るという明確な目的を持って遠投していたのである。真鯛釣り専門であった。
真鯛を釣りたいとは思っていたが、本当にこんな波止から狙って釣れるとは夢にも思っていなかった。
                           
カゴや天秤、ウキ、クッションゴムなど仕掛けの要素は、私がカンダイ釣りで使っているものとほぼ同じであるが、それぞれの出来栄えがぜんぜん違う。
ウキもカゴも天秤も、すべて手作りだそうだ。しかし非常に精巧にできている。
そして、徹底的に空気抵抗を排除した構造になっていた。

写真ー3 遠投カゴ

特に驚いたのは、その飛距離である。
軽く竿を振ったにもかかわらず、80~90m沖にカゴを飛ばしたのである

投げ釣りでは、道糸に細いPEの糸を使い、150m以上の遠投をする人たちもいるが、この場合は、重い30号クラスのおもりを投げるだけで、空気抵抗の大きいカゴやウキは付けていない。大きなカゴやウキなどを同時に投げて、こんなにも遠くへ、しかも軽々と飛ばすのは、今までに見たことがなかった。しかも道糸はナイロン製で6号と太い。

平磯海づり公園で、おもりの付いたカゴやウキを力任せに遠投する屈強な釣り人も、いるにはいる。
ところが、重いカゴが先行し、ウキは遅れて離れて飛ぶので軌道は山なりで、どう見てもその姿は、スマートとは言えなかった。力任せに投げる姿も、あまり格好の良いものではなかった。
今回は軽く竿を振ったにもかかわらず、赤い羽根の大きなウキがカゴと一緒に、一直線に沖の遠くに飛んでいくので、本当に美しかった。     

同時に、「そうか!」ここでは50m以上の沖に仕掛けを投入しなければ、狙って真鯛は釣れないのだ・・・・と初めて実感した。

写真ー4 投げ釣りで遠投する釣り人

投げ釣りでは150m以上の遠投をする人がいる
       (写真:2016年 DAIWAのカレンダーより)

伊豆地方で両軸リールを使った100mを超える遠投かご釣りが、盛んにおこなわれていると、聞いてはいたが見るのは初めてであった。
この時は道具ばかりに気を取られて、後で気づいたことだが、腕も違った。
同じドライバーを使っても200ヤードも飛ばない人もいれば300ヤードを軽くオーバーしていく人もいるのである。このことは大変重要で、あとで大変な苦労をすることになろうとは、この時には思いもよらなかった。

このN氏は大阪在住で、年齢は45歳くらい。この平磯海づり公園の常連さんの中では、有名なタイ釣り名人であることを後で知った。
N氏のすぐ横で釣りをしていたM氏は「私は彼の弟子にしてもらっているのですよ。最初は両軸リールを使いこなすのに苦労しました。今ではやっとマダイが釣れるようになりました」と話してくれた。

M氏は人の良さそうなおじさんで、自分で作ったカゴやウキを、親切に見せてくれたが、師匠のN氏のものに比べて製作が雑で、精度もあまりよくなかった。弟子にしてもらっているというより、押しかけ弟子のように見えたが、今ではいい釣り仲間のようであった。

余談ですが、このM氏は第31回のブログで紹介した釣り師です。
2015,2016年の2年間で、平磯海づり公園における真鯛の釣果報告で、9回も取り上げられたすご腕のベテラン釣り師です。

いずれにしても、私もかっこいい超遠投のこの釣りを、何としてでもマスターし、真鯛を釣りたいと強く思った。久しぶりに闘志が沸々と湧き上がってくるのを感じた。

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コメント

  1. 中井祐介 より:

    取り上げていただきありがとうございます。2015年、カンダイ、金色カゴのキーワードでどなたかすぐにピンときました。何よりブログが緻密で驚きました。凄い!僕のブログなんか適当で見習う点が多いです。最近お会い出来ていないんで、また一緒にやりましょう。最近はライトに変えたんで、飛距離はイマイチですが(笑)

    • 一平 より:

      中井さん、お元気ですか。コメント有難うございます。中井さんの遠投カゴつりを見て、私も釣りの幅が広がったので本当に感謝しています。中井さんほど遠くには飛ばせませんが(笑)今も遠投カゴつりは私のメインの釣り方法です。中井さんのブログは、私もずっと楽しく読ませてもらっています。今後ともよろしくお願いします。平磯海づり公園で出会ったら是非声を掛けてください。一緒に釣りを楽しみたいですね。

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