宇崎日新は、なぜプロミネントを市場投入したのか?

遠投かご釣り、宇崎日新、両軸遠投竿の概要と評価 

 こんにちは! 一平です。

第53回はがまかつ、第54回はシマノ、第55回はダイワの両軸遠投竿の推移や評価を報告してきましたが、第56回は宇崎日新の両軸遠投竿の概要と評価です。

第53回~第56回までで検討した価格は、もちろんカタログ価格です。実際の購入には、ネット通販でも、店頭購入でもそれぞれ割引率があり購入日や購入先でも価格は違います。従って、実際の価格をよく吟味して検討することは言うまでもありません。

写真ー1.淡路島志筑・生穂新島より北(神戸方面)を望む(2019年10月16日)

写真ー1.淡路島志筑・生穂新島より北(神戸方面)を望む(2019年10月16日)

1.宇崎日新 両軸遠投竿の概要 

 宇崎日新の竿には、他メーカーにはない以下の特徴があります。

  •  両軸で投げるとき持ち手のシートが、ザラザラとした滑り防止加工となっています。
  •  ラインが竿にあたってべた付くのを防ぐ塗装(#2から元上まで)が施されています。

この2つは、大きな特徴ですが一平は、他のメーカーの竿で、投げるときに滑って困るという経験はしたことがありません。また、両軸遠投竿を使うときには、道糸にナイロン6号などを使うことが多いため竿に道糸がべた付くこともありません。

従って、宇崎日新のこの機能は、有れば良いですが、無くて困る機能ではないと一平は思っています。

表―1に 宇崎日新の両軸遠投竿の概要を示します

表ー1 宇崎日新・両軸遠投竿の概要

表ー1 宇崎日新・両軸遠投竿の概要

表―1 より

  1. ZEROSAM(ゼロサム)磯 両軸X4は、剛性の強い竿で高価な竿
  2. INGRAM(イングラム)遠投両軸は、やや柔らかめで、両軸用では比較的安価な竿
  3. INGRAM BLACK EDITION 遠投両軸は、剛性の強い竿で手頃な価格
  4. プロミネント 遠投両軸は、初心者向けの柔らかめで安価な竿

といったところでしょうか。

2. イングラム(INGRAM)とプロミネント遠投両軸竿の比較 

 両軸遠投竿における宇崎日新の竿の知名度は、がまかつ、シマノ、ダイワに比べてやや低いと考えられます。その宇崎日新の両軸遠投竿で、最もポピュラーな竿が、イングラム(INGRAM)遠投両軸竿ではないでしょうか。知名度が低いからと言って、竿が決して悪いわけではありません。この竿は、安価で、柔らかく、一般的な体力の持ち主でも扱い易く距離も出せる竿です。

ところが2019年10月に、ほとんど仕様が同じであるプロミネント両軸遠投竿が発売されました。全く同じような竿を、今頃どうしてニューモデルとして発売したのか理解に苦しみますね~一説には、初心者向けとか、予備ロッド用とか言われていますが、何も同じような竿をニューモデルとして出す必要があるとは思われませんね。

なぜだか解明していないと、竿の選定には疑問が付きまとって、すっきりしませんね。そこで、その理由を探るため、表―2に イングラム(INGRAM)遠投両軸竿と、プロミネント遠投両軸竿の比較をしてみました。

表ー2 宇崎日新 両軸遠投竿の比較(1)

表ー2 宇崎日新 両軸遠投竿の比較(1)

表―2 より

  •  INGRAM(イングラム)遠投両軸竿とプロミネント遠投両軸竿は、4号竿の
    4-5.5、4-5.85(表―2の緑色)で比較すると、プロミネントの方が自重は10gずつ増えており価格は、2,000円ずつ安くなっています(表―2青色)

   その他のSpecification(仕様)は、表で分かるように全く同じです
   どうやら2,000円の違いに、鍵がありそうです。

3.イングラム竿(宇崎日新)とインプレッサ竿(ダイワ)の遠投両軸竿の比較 

 そこで今度は、宇崎日新とダイワの竿を比較してみました。
宇崎日新のイングラム遠投両軸竿は、ダイワのインプレッサ両軸遠投竿と競合しています

どちらも、柔らかく、一般的な体力の人でも扱い易い竿で、両軸遠投竿としては低価格帯の竿です。  表―3に比較を示します。

表ー3 イングラム(宇崎日新)とインプレッサ(ダイワ)の遠投両軸比較

表ー3 イングラム(宇崎日新)とインプレッサ(ダイワ)の遠投両軸比較

表―3より

  • Aの場合(①と③の比較)は、①の竿が③より長くて安いので、明らかに宇崎日新の竿・①の方が安い。
  • Bの場合(②と④の比較)は、一見すると価格は、宇崎日新の竿・②の方が高い

しかし、実は②の方が、竿も長いので、実質どちらが安いのか判別しにくい。(竿の長さが長くなると価格も高くなるので)宇崎日新のイングラムとダイワのインプレッサ両軸遠投竿では、少し宇崎日新の方が安価なようですが、分かりにくいですね。

ところが、表―4のプロミネントとインプレッサの比較では、

表ー4 プロミネント(宇崎日新)とインプレッサ(ダイワ)の遠投両軸竿比較

表ー4 プロミネント(宇崎日新)とインプレッサ(ダイワ)の遠投両軸竿比較

  • Cの比較でもDの比較でも、一目で宇崎日新のプロミネントの方が、竿が長いにもかかわらず、ダイワのインプレッサより安価であることが分かります。

メーカーとして、「遠投かご釣りの両軸竿において、当社が一番安価で、よい竿を市場に投入している」と宣伝することができれば、販売戦略上有利であることは間違いありませんね。
ほとんどイングラム竿と仕様の変わらないプロミネント竿を、2019年10月に市場に新しく投入した理由は、この辺にあるのではないかと一平は考えています

もしそうであるなら、イングラムかプロミネントのどちらかを選ぶならプロミネントの方がお買い得ということになりますね。

4. その他の宇崎日新の両軸遠投竿の比較と評価 

表―5に 宇崎日新の剛竿の比較を示します。
ZEROSAM (ゼロサム) 磯両軸X4竿 とINGRAM  BLACK  EDITION(イングラム ブラック エディション)遠投両軸竿の比較です。

表ー5 宇崎日新 両軸遠投竿の比較(2)

表ー5 宇崎日新 両軸遠投竿の比較(2)

表―5より

  • ZEROSAM(ゼロサム) 磯 両軸X4 は、オモリ負荷20号までOKとなっています。 これを見る限り、竿は相当剛性の強いことが分かります。にもかかわらず、竿の自重は、4号プラス4-5.85で415gと非常に軽いことが分かります(表―4の緑色部分参照) 自重はがまかつの剛性の強い竿・カゴスペシャルⅣやシマノの新ブルズアイ、ダイワの
    オレガ遠投などと比べても軽いです。
    しかし、価格は70,000円を超えて宇崎日新の竿の中では突出して高価です。

  • 同じオモリ負荷を持つ INGRAM  BLACK EDITION(イングラム ブラックエディション)遠投両軸竿は、4-5.5号竿で440gとなっていて、ゼロサム磯両軸X4よりも40g増えています。
    しかし、価格は、剛性竿としては、安く45,000円です。ゼロサムよりも26,000円も安価です。

従って、軽い竿で取り回しも楽で、遠くに飛ばしたい人はゼロサム竿です。しかし、竿が少々重くても気にならない人は、安価なイングラム ブラック エディション竿の方を選べばよいことになりますね

第53回、54回、55回、56回は、がまかつ、シマノ、ダイワ、宇崎日新の竿を、過去から変遷の経緯や、同一メーカー内での竿等の比較をしてきました。

次回(第57回)は、いよいよ がまかつ、シマノ、ダイワ、宇崎日新の4社の竿の徹底比較をしたいと思っています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 中村 克孝 より:

    久々のプログ、健筆を祈っています。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。