遠投カゴ釣り用、両軸リール徹底比較

1、遠投カゴ釣り用、両軸リール選定 

 こんにちは! 一平です。
新型コロナウイルス禍の中、ソーシャルディスタンスが比較的取りやすく、家族で出かけられ、屋外で過ごせることもあってか、釣りが人気になっているようです。また、平磯海釣づり公園では遠投かご釣りをする人が増えてきたような感じがします。

「晴れ、とっきどき釣り」のブログでは、第53回から第58回にかけて遠投かご釣り用の
両軸竿について詳細に検討しました。
ところが遠投かご釣り用の両軸リールについては、ほとんど触れていませんでした。第33回でアブガルシア製の両軸リールについて検討したくらいです。
ボーナスシーズンも迫ってきたので、新しい竿やリールが欲しくて「どれを買うか」と思い悩んでおられる人も多いのではないでしょうか(??)
そこで今回は、遠投かご釣り用両軸リールの比較をしてみたいと思います。

淡路島 岩屋港

写真ー1 淡路島、岩屋港(2021年11月16日)

比較する両軸リールの選定条件は以下の3つとしました。
 ・ ナイロン道糸6号が、約200m以上巻けること
 ・ 遠投カゴ8~15号くらい(カゴ重さ約60~90g)を楽に投げることができること
 ・ アブガルシア、シマノ、ダイワから代表的なリールを選ぶ

その結果、以下の両軸リールを比較検討することにしました。
 ① アブガルシア 6500CL
 ② アブガルシア レボ60トロロケット
 ③ シマノ    カルカッタ 400
 ④ シマノ    カルカッタ コンクエスト400
 ⑤ ダイワ    タトゥーラ TW 400H
 ⑥ ダイワ    ミリオネア カゴ300
 ⑦ ダイワ    シーホーク 300遠投

以下にそれぞれのリールの簡単な特徴と概要を示します。(主な仕様、価格については第3章の表―1に示します)リールの写真の出典はアマゾンです。

2、両軸リール 特徴と概要 

① アブガルシア 6500CL (写真―2)
 アブガルシアの両軸リールは、超有名で遠投かご釣り師人気NO1の商品です。アンバサダーシリーズの5000番は、1952年に発売されていて70年も前の商品が、現在もアブの看板商品となっています。
魅力は、飛距離が出てシンプルな構造で耐久力があり、さまざまなロッドとの相性が良いことです。

写真ー2 アブガルシア6500CL

またいろいろな機種で、部品の互換性があり、自分好みにカスタマイズできるので上級者からの支持が厚いと言われています。
アンバサダーの6500番は大型の魚用ですが、その中で6500CLは一番安価で最もポピュラーな機種です。一平も5年以上使っていますが、特に問題はなく、満足して使っています。

ただ、ギア比が5.3(ハンドル1回転でスプールが5.3回転)で、最大巻取り長さが65㎝と少ないので、沖の遠方からカゴや大きなウキを巻き上げてくるのに時間がかかるのが難点です。
それと、常にメインテナンスをしなければならないところが面倒です。

② アブガルシア レボ・トロ60ロケット (写真―3)                               
 ビッグシューターWM60の後継モデルで、2020年3月発売の新しいアブガルシアの機種

写真ー3 アブガルシア
レボ・トロ 60ロケット

ギア比が7.6とハイギアなので、ハンドル1回転で107㎝も糸を巻くことができ、手返しが速い。
その分、巻き上げ抵抗が増し、抵抗のある遠投カゴやウキを巻き上げるには重くなってしまいます。
(抵抗の少ないルアーを使う場合に適しており、手返しが速くできる利点があります)

メンテは使用後、ハンドルの反対側のカバーを開けて水洗いをして、乾燥させて必要な

ところに注油するだけで良いので簡単です
また、くすんだようなリールの赤色は独特で目立ちますね~

③ シマノ カルカッタ400 (写真―4) 
 シマノ丸形リールの代名詞「カルカッタ」。

両軸リール シマノ カルカッタ400

写真ー4 シマノ カルカッタ400

1991年に初代モデルが発売され、現在でも新モデルが発売される人気の両軸リールです。      
巻き心地の良い丸形リールがお好みの人にはぴったりです。
カルカッタにはいろいろな機種があるので注意が必要です。(ex:カルカッタDC, カルカッタF, オシアカルカッタ、カルカッタコンクエストBFSなど)

しかし、遠投かご釣りに必要なラインキャパがナイロン6号で200m以上あるのはこのカルカッタ400とカルカッタコンクエスト400のみです。
カルカッタ400はハンドル1回転での巻き取り量が68cmと、Abu6500CLと同程度で一平は、遠投かご釣りにはやや手返しが遅いと感じています。
もちろん、大きな魚がかかった場合は、ハンドルは軽く巻くことができるし、スロージギングの釣りにはぴったりです。

④ シマノ カルカッタコンクエスト400 (写真―5) 
 シマノカルカッタの上位機種が、カルカッタコン
クエストです。

両軸リール写真 シマノカルカッタコンクエスト400

写真ー5 シマノ カルカッタコンクエスト400

1回の巻取り量が84㎝と適当で、最大ドラグ力も
7kgと大物にも対応でき、自重も340gと軽く、遠投かご釣りに適した両軸リールです。

静かで滑らかな回転が特徴です。但し、私が選んだ7種類の遠投かご釣り用両軸リールの中では一番高価です。ゴールドカラーは、人それぞれの好みですね。
黄金色が好みの人もおられるのではないでしょうか。

⑤ ダイワ タトゥーラTW 400H (写真―6) 
 飛距離ではAbuに劣りますが、回転がスムースで幅広く対応できる名機。

両軸リール ダイワ タトゥーラTW400H

写真ー6 ダイワ タトゥーラTW400H

音も静かで、バックラッシュが少なく、両軸遠投かご釣り初心者には向いていると思われます。飛距離が、90mくらいまででOKならばこのリールはお薦めです。

タトゥーラには様々な機種がありますが、タトゥーラTWには、400、400H、400XHの3タイプがあります。3タイプとも、重量、スプール寸法、標準糸巻き量、ハンドル長さ、価格などはすべて同じです。

主としてギア比(巻き取り長さ)が変わるだけで、400はギア比6.3(85㎝)、400Hはギア比7.1(95㎝)、400XHはギア比8.1(109㎝)です。

巻き取り量が選べるのは嬉しいですね~。 一平は、遠投かご釣りにおいて、ハンドル1回転の巻取り長さは80~95㎝位が良いのではと思っていますので、タトゥーラTWは、400か400Hが良いのではと考えています。

⑥ ダイワ ミリオネア カゴ300 (写真―7)
 カゴ釣り専用にチューンした遠投両軸リール

両軸リール ダイワ ミリオネア カゴ300

写真ー7 ダイワ ミリオネア カゴ300

飛距離はAbuに比べてそん色はないし、バックラッシュも少ない。
メンテも簡単で、ハンドルと反対側のカバーを外して、これを水洗いし、乾かすだけでOK.
ハンドル側はほとんど分解は必要なし。さすが、カゴ釣り専用リールとしてダイワが売り出した両軸リールです。
巻き取り長さ75㎝はAbuのガンナー(Gunner)と同じ。
但し、価格47,700円はAbu6500CL(23,000円)が
2台買える価格ですよ~

⑦ ダイワ シーホーク 300遠投 (写真―8)
 カゴ釣り専用ベーシック遠投両軸リールで、Abu6500CLの対抗機種。

両軸リール ダイワ シーホーク 300遠投

写真ー8 ダイワ シーホーク 300遠投

良く飛ぶし、メンテが楽で、安価なので初心者は、安心して使えます。
少し難があるとすれば、ミリオネアカゴ300に比べてややバックラッシュしやすいことかもしれません。
また、ハンドル1回転の巻取り長さが63㎝と、手返しがやや遅いのが、気がかりです。
国産にこだわり、Abuのメンテが苦手という人は、これを使ってみる価値があると思われます。

価格が19,400円とAbu6500CL の22,2000円よりも安価なのも魅力です。

3、遠投かご釣り用 両軸リール比較検討 

 ①~⑦までの両軸リールの比較一覧表を表―1に示します。

    表ー1 遠投かご釣り用、両軸リール一覧表

両軸リール 比較一覧表

表ー1 遠投かご釣り用、両軸リール一覧表

表ー1より

  1. ハンドル1回転での最大巻取り長さは、④、⑤、⑥あたりが適当と思われます(75㎝~95㎝)。①、③、⑦、は少し巻取りスピードが遅い気がします。

  2. 自重は②だけが414gと、400gを超えていますが、リールとして特に扱いにくい重量ではありません。その他はすべて300g台で、何の問題もありません。

  3. 最大ドラグ力は、②と⑤が12kg、13kgと突出して大きいですが、波止などの釣りでは5㎏で十分です。(5㎏のドラグ力があれば、60~70㎝の真鯛が来てもOKです)

    ②と⑤の最大ドラグ力12kgと13kgは、特別で、磯釣り等で超大物を狙う場合のみ必要と思われます。

  4. ベアリング数は、多ければそれだけ回転は滑らかですが、①のAbuのリールの2個でさえ、十分滑らかなので、この数に惑わされなくて良いと思われます。むしろ多いとどれかが故障するリスクの方があるかもしれません。

  5. 価格は、①⑦が2万円前後、②⑤が3万円台、③⑥が4万円台、④が約6万円と最も高価 です。
  6. その他、

    メンテは、①が一番必要かもしれませんね~。その分耐久性は一番ありそうです。

  7. 飛距離は、①、④、⑥、⑦、が優位と思われます。

     さて、皆さんはどれを選びますか?

4.両軸リール購入にあたって 
 遠投かご釣り用の両軸リールを選定するにあたって一番重要なことは、自分なりの納得だと思います。
自分の釣りにとって高価なものが必ずしもいいわけではないし、また竿を軽く振るにはリールが重いことはマイナスですが、重い方が竿を振った時に左手の腕の返しに役立ち、飛距離が出る人もいます。
遠投競技に出場するなら飛距離の1m、2mは重要ですが、一般の波止で釣りをする人にとっては、100m以上の遠投はそれほど必要ではありませんね。
この意味において①~⑦の両軸リールはどれも十分な飛距離を持っていますし、性能、耐久性も十分です。

そして②の赤色がいいという人もいれば、④のゴールド色が「かっこいい」と思う人もいます。
また、ハンドル1回転の巻取り長さにしても、確かに①の65㎝と②の107㎝では大きく違いますが、巻取り長さが65㎝でも、特に不便と感じない人もいるし、107㎝の速さでリールを巻いても力の強い人なら、それほど重いと感じない人もいるでしょう。

さらに言えば、確かにAbuの6500CL両軸リールは、必ずメンテが必要で面倒ですが、慣れれば簡単で楽にできるようになりますし、リールを分解したり、チューニングしたりするのが楽しい人もいるのです。

自分が納得してリールを買えば、大事に使います。そして1つのリールを徹底して使い込めば自分なりの改良点や欲しいものが、見えてきます。そうすれば釣りがますます自分のものとなって楽しくなります。

この資料が、両軸リール選びに少しでも参考になれば幸いです。

                           2021年11月22日

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コメント

  1. 評論家 より:

    一平さん ごきげんよう。
    次はどのような記事がいつ投稿されるかと期待していました。
    両軸リールは私もAbu6500CLとabu6500C Hi-Speedを持っているのですが、
    投げの練習を出来なくて、60m程の遠投で留まって実釣までは達していません。
    平磯海づり公園では最も楽に釣れる、スピニングリールにPEラインを巻いて、
    投点80m程で流す釣り方が私の主流になっています。
    現状で実際に両軸リールを使っているカゴ釣りの人は1割にも満たないでしょう。
    意外とこの構成でのメリットも多く、カゴに海幸アッパーロケットミニを使い、
    手返し3分に1回位の速い打ち返しが可能で、投入後にラインを張って竿先にて
    当たりを取ると、撒き餌の解放後15秒位で本命、または餌盗りの当たりが出て、
    緩い潮のときに刺し餌無しで無駄に流すことが無くなりました。
    (餌盗りの場合は、竿先に当たりが出ても、ウキが沈むまでには至りません)
    高水温で活性の高い時は餌盗りの反応が高く、直ぐに餌が盗られています。
    これからの海水温の低下で餌盗りが減れば、刺し餌が保持されるとは思います。
    両軸リールとナイロンラインでこのような釣り方はできるのでしょうか?
    最近は更にライトタックルと軽めのカゴで、60ⅿ~70ⅿを狙う釣りをしています。

    • 一平 より:

      PEを使い、60~80m位の沖の魚信を取るという方法は、なかなかのアイデアですね。
      面白いですね。遠投かごは重さがあるため、ラインがうまく張れるのでしょうね。
      ナイロン6号などを用いた遠投かご釣りでは、とても当たりは取れません。
      私も、何者かがエサをしょっちゅうとるので、何度も何度もしゃくっていましたら
      ウマヅラハギが釣れたことがありました。しかしこれは偶然で、決して狙ってでは
      ありません(笑)

  2. 中井祐介 より:

    お久しぶりです。
    中井です。両軸特集いいですね。しかしいつも研究熱心で頭が下がります。さてダイワのタトゥーラは平磯でも何人か使い始めてて、レベルワインダーが動かず、スプール回転するので、飛距離はいい感じのようです。ブレーキシステムも流石ダイワって感じで、欲しい気持ちはあるんですが、やっぱりアブに落ち着くんですね(笑)
    毎回の全バラシ、パーツクリーナー、オイルアップと面倒ですが、元々自作や機械いじりが好きなんで苦にはならないです。あとパーツが使い回せるのも魅力で、以前は6500で今は5600ですが、両方ともウルキャスデザインなので、6500のパーツを入れ込むことも出来て、結局アブなんです(笑)
    肝心の釣果は10月、11月は納得の釣果でした。デカいカゴに物量ではなく、小さいカゴに少量ピンポイント釣法が当たりました。財布にも優しく(笑)まあ2014年からスタイルは変わっていませんが(笑)錘5号、カゴ40gを80〜90m飛ばす技術があると、年間トータル釣果は飛躍的に伸びます。そうなると両軸の一択です。また軽い仕掛けは違和感を軽減してくれ、サイズのいいのが掛かりますね。以前のブイの向こうを狙っていた時より、釣果は上がっています。ただ軽い仕掛けを飛ばすのは難しく、今だにバックラは2回ほどやってしまいます。軽度ですが。
    長々と書いてすみません、僕はブログをやめたんで、一平さんが平磯の両軸マスターとして、これから次世代を引っ張る存在感になって下さい。あの美しい放物線は両軸ならではで、カッコイイ事をみんなに伝えて下さい。

    • 一平 より:

      お元気ですか。久しくブログを書いていませんでした。オリンピックあり、私的な用事あり、自分の左腕が上がりにくくなったりで少し遠ざかっていました。
      今回(67回)は、遠投かご釣り用の両軸リールという範疇で比較した記事がほとんど見受けられなかったので書いてみました。平磯海釣づり公園でも、両軸リールを
      使っている人は、ほんの一部です。記事を読んでくれる人は少ないと思ったのですが、ダイワやシマノが最近両軸リールを進化させて新しいものを出しているので気になっていたからです。中井さんのような人が読んでくれるのは嬉しい限りです。
      さて、40gのカゴを70~80m飛ばせる人は、見たことありませんが、さすが中井名人ですね(笑)
      私は、最近軽いカゴを遠くに飛ばすために両軸リールにPEを巻いて投げることを考えています。
      いい結果が出たらまた報告したいと思っています。それではまた平磯海釣づり公園でお会いしましょう。

  3. 月夜 より:

     こんばんは。

    お久しぶりです。

    以前、ブログでUPしましたが

    両軸キス遠投についてだけPEを使います。

    殆ど伸びないので感度は抜群で楽しいです。

    ですが、バックラすれば解くのにメッチャ時間が掛かります。

    当時はPEの力糸5号-0.8号でして今は6号-06を

    ABU4000番台(シャロースプール装着)にて投げてます。

    錘(富士天秤30~33号)は重い程初速が遅いのでバックラしにくいですが

    振り切るとなれば体力が要で・・・(^^;

    両軸リールはスプールで糸を送ってるってのがやっと判った今日この頃です。

    • 一平 より:

      月夜さん、何度もメールをいただいてありがとうございます。返事が時々しかできないので、ご容赦ください。
      さて、キス釣りをするのに両軸遠投をされるのですね。この時の遠投竿は約4m位の2ピースロッドでしょうか?
      シマノのブルズアイやダイワのインプレッサ、剛弓カゴなどの5~6m位の両軸遠投竿でPEを使ったことは
      おありでしょうか?一平は、どうもバックラッシュが気になって、ナイロンに落ち着きます。一説によると、DUELの
      ハードコアX4(PE)3号を使ってうまくいったとかの報告もあるようで、一平も一度試してみようかと思っています。
                 両軸遠投もなかなか奥が深いですね。      一平

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