第6回 マキエ用カゴ(ケイムラサビキロケット)の構造的欠陥
こんにちは!一平です。 第6回は、コブダイ釣り仕掛けの中で、最も重要な要素である「カゴ」についてもう少し詳細に検討をしてみたい。
1.ケイムラサビキロケットの構造とマキエの出る仕組み
釣りを始めた人が必ず一度は、経験する釣りがサビキ釣りである。
どんな名人でもまた高度な釣りをしていても、アジやサバの群れが寄ってきたら「サビキ釣り」をしている子供達や初心者に釣果で勝てる釣り人はいないであろう。
ましてや、高級な竿もウキもいらない。
棒のような竿でもいい。
あとはアミエビを入れるカゴとバケ(擬餌バリ)セットがあれば十分である。
それほどこの釣りは単純だが威力がある。
この方法は「カゴの中にマキエを入れて、それを狙いの棚に送り込んで、魚を寄せて釣る」
合理的な釣りである。まさに、これが「カゴ釣り」の原点であろう。
さて私は30年ぶりで釣りを再開するにあたってどんな釣りをするか考えた。過去には投げ釣り、探り釣りをやっていた。もちろんサビキ釣りはしたことがある。
今回はカゴ釣りを選んだ。これは自分にとって新しい方法であることと、以前から合理的な釣りであると思っていたからである。
さてそうなると、どんなカゴを使って、どんな仕掛けで釣りを始めるか。まず釣具店、エイト
玉津に出かけた。
店頭にはいろいろなカゴが並べられていた。
普通は何を釣るかを考えてから釣り具を選ぶのだが、この時は、まあ「カゴを使った釣りができればいいや。どんな魚が釣れてくるかもわからないし・・・」と言った、軽い気持ちであった。
その時たまたま目に留まったのが(株)マルシン漁具製の「ケイムラサビキロケット」である。
1個251円のカゴであった。他のものに比べて安くて扱いが簡単そうであった。
底部に回転蓋を持つ同じ種類のカゴは、他にも多くみられ KAIKO青サビキカゴや NAKAJIMAカゴなどがあった。
これらの構造を下記に示す。
これらは2つのプラスチックのカゴからできている。
図Aの内カゴを外カゴに挿入すると図Bのようになる。(解り易くするために、内カゴと外カゴの色を変えてある)
もちろん購入時は図Bの状態である。内カゴを矢印のように回転して、マキエが出る窓の間隔を調整する仕組みとなっている。
マキエはこの窓部分を一杯に開いた状態で入れる。
窓を閉じるか、適当な間隔を開けた状態でカゴを投げる。
カゴを投入し、カゴが錘の重さで沈降しているときは、水の抵抗力で図Dのようにマキエの出る格子状窓が、回転蓋Yで押し付けられマキエはカゴから出ない。
ウキが立つと、図Eのように、重力で回転蓋Yは下に垂れ下がり、マキエが放出される仕組みとなっている。最初にこの原理を理解したときは、なるほどもっともだと思ったが、実際に釣りを始めたら、この通りにはならなかった。
現実には、カゴの中のマキエ(オキアミ大または中サイズ)は横窓が全開でも、沈降中にはカゴの外には、ほとんど出なかった。
またウキが立って、格子状窓をふさぐ回転蓋Yが垂れ下がっても、この格子状窓からは、マキエはカゴからほとんど出なかった。マキエがカゴの外に出るのはウキが立って、竿をしゃくった時であった。
もちろん一部の小さいマキエや、若干のマキエはカゴから出るが、ほとんどは竿をしゃくらないと出なかった。
さて、サビキカゴからマキエが出る仕組みは以下の通り説明される。
サビキカゴは上部に蓋がなく、上部が開いているが、ケイムラサビキロケットカゴの窓は横に開いている。
そして、サビキカゴと同様に竿をしゃくった時に、マキエはカゴ下部からは放出されず(本来はマキエの投入口である)横窓からマキエがでるということが判った。
従って、ケイムラサビキロケットカゴは、横窓を全開状態にして使ったほうが効率良くマキエを放出できた。
しかし、これではせっかくの回転蓋の意味がない。
水中でケイムラサビキロケットの底からマキエ(オキアミMサイズ、Lサイズ)が出ないのは、回転蓋が開いてもマキエが大きすぎて格子状窓から放出されないからである。しかし、小さすぎると、投げる前に(竿を構えた時)マキエ(オキアミSサイズ)はこぼれてしまう。
第7回では、ケイムラサビキロケットの下部から効率良くマキエが放出されるにはどんな条件が必要で、どのようにカゴを改良したかを報告する。
コメント
No.(6)~(10)を精読しました。No.(10)の「名人」のくだりは感動しました。ところで、私のパソコンでは、sk-ippei3.jp/wpではホームページが開けません。近藤さんのメールから立ち上げるとokです。