真鯛釣りのエサ、シラサエビ(標準和名、スジエビ)について
こんにちは! 一平です。
第49回は、真鯛釣りのエサ、シラサエビについてです。
1.真鯛釣りのエサ
真鯛は、主として船釣りの対象魚で、その釣りエサは、かってはシバエビや赤エビ属など、クルマエビ科のエビが生き餌として使われていました。
釣りとしては難しい部類でしたが、オキアミ類をマキ餌や釣り餌に使うようになって、釣りが進化し、随分と釣果も上がったと言われています。
関東では、オキアミを入れるコマセかごをつけた天秤に、長いハリスの一本針をセットし、これにエサをつける方法のコマセ釣りが、真鯛釣りの主流でした。
最近では、釣り方法も随分と進化し、タイラバや一つテンヤ釣り法、船からメタルジグを使ったマイクロジギングなどの方法も盛んになってきて、真鯛を釣ることはそれほど難しくない釣りとなってきたように思われます。
さて、波止からでも小さいサイズの真鯛は(10~15cm程度のいわゆるチャリコは)、比較的よく釣れます。
(チャリコの定義は明確ではありませんが、20cm以下だったり、人によっては25cm以下と位置づけている人もいます・・・)
しかしながら、30cmを超える真鯛は、波止からは釣ることはなかなか難しいようです。
ところが、平磯海づり公園では、遠投カゴつりでマダイを狙えば、30cm級のマダイを釣るのもそれほど難しくはないのです。
これは、平磯海づり公園で、真鯛釣りに遠投カゴ釣りを定着させた真鯛釣り名人N氏の功績が大きいと思われます。一平も、N名人の釣りを見て、遠投カゴつりを本格的に研究し、今では10回釣行すれば、7~8回は釣ることができるようになりました。
そして第32回~第44回で、その真鯛を釣る方法について述べてきました。
さらに第48回では、そのエサとなるシラサエビの価格について報告しました。
第49回は、シラサエビの種類、特徴などついて報告したいと思います。
2.圧倒的実績のシラサエビ!平磯海づり公園の真鯛釣り
平磯海づり公園では、真鯛は、オキアミよりもシラサエビの方が断然よく釣れます。
オキアミでは他の魚は良く釣れても、真鯛は、あまり掛かってはくれません。 理由はよく判りませんが、とにかく実績が断然違うのです。
一平は、「晴れ、とっきどき釣りの第31回 」のブログで、2015,2016年の2年間の真鯛の釣果報告件数・70件の内、エサはシラサエビが52件と断然多いことを報告しました。
その内訳は、表―1に示す通りです。
表―1より、ウキ釣りのエサは、54件中51件とシラサエビがほとんどです。釣果報告件数全体に対する割合も52/70件と約75%を占めています。
平磯海づり公園の真鯛狙いは、シラサエビ抜きには考えられません。
3. シラサエビの種類と特徴
シラサエビの標準和名はスジエビで、俗称として、シラサエビ、川エビ、小エビ、藻エビなどと呼ばれる淡水エビです。 図―1に日本に生息する3種類の淡水エビを示します。
(日本にいるのは、まず ①、②、③ の3種類です)
スジエビは関東では商品名でモエビ、関西ではシラサエビ又は湖産エビと呼ばれます。
また、ヌマエビは商品名でブツエビとも呼ばれます。
関西のエサ屋で、シラサエビとして売られているものは琵琶湖産のスジエビが多いようです。
写真―2に、日本に生息する3種類の淡水エビを示します。
① テナガエビ
とても肉食性の強い大型のエビで、「長いハサミ脚」で見分けができます。
エサ屋でシラサエビを買うと大きなハサミ脚を持ったこのエビが、時々紛れ込んでいます。
② スジエビ
俗称で、シラサエビ、モエビ、湖産エビ等とも呼ばれます。
エサ屋で買うと、ほとんどがこのスジエビです。テナガエビに比べて小さめですが、やはり肉食性の強いエビです。昼間は石の下や水草などの植物の茂みの中にひそみ、夜になると動き出します。
藻類や水草も食べますが、ほぼ肉食性で、水生昆虫や他の小型甲殻類、貝類、ミミズ等さまざまな小動物を捕食します。大きな個体は、メダカなどの小魚を捕食することがあるようです。
③ ヌマエビ(ブツエビ)
攻撃とはほぼ無縁の小さいエビ。攻撃性や肉食性が弱く、付着したコケや有機物を食べます。釣りでは、水中で縦方向に潜ると言われ、メバルの釣りエサに重宝されます。
真鯛のエサにもなりますが、少し小さくて釣果もシラサエビに比べて落ちるようです。
4.スジエビ、桜えび、オキアミの比較
ついでに オキアミ、スジエビ、桜えび、について比較してみました。
どのエビも、透き通ったあめ色が、熱を加えると赤くなります。
写真―3は、スジエビのかき揚げですが、桜えびとオキアミのかき揚げもほぼ同様の色、形をしています。
桜えびは、透明感のある美しい桜色をした4~5cmの小さなエビです。日本国内では、静岡県のみで漁が行われており、100gが数千円と高価です。水揚げが許可されているのは、駿河湾のみです。
従って、これが釣りのエサになることはまずありません。
表―1に、スジエビ、桜えび、オキアミの簡単な比較を示します。
釣りのエサとなるオキアミは、南極産が多く、大量に獲れるので価格も安い。
オキアミは、エビ科の生物ではなくプランクトンの一種です。
日本では三陸海岸の太平洋海域あたりに生息し、これを追って秋刀魚が、三陸沖にやってきます。この種は、サクラエビの安価な代用品として、お好み焼きなどに利用されています。
また、ナンキョクオキアミは、南極の鯨、ペンギン、アザラシ等多くの生き物のエサでありますが、オキアミ漁船の増大に伴って、個体数が1970年代から比べると約80%も減少しているといわれており、資源管理の重要性が高まっています。
漁獲量の約半分が、釣りや養殖用のエサとして使われています。しかし、釣りエサ用として販売されているオキアミは食品加工法規の適用外であり、食品に適さない薬品が添加されている可能性があり、食べないほうがよいということなので釣り人の皆さんはくれぐれもご用心ください(笑)
次回(第50回)は、「シラサエビの4~6月の品薄原因と輸入について」を報告します。